Abandoned Well
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2007年04月28日(土)
[音楽 » CD] ロストロポーヴィッチ逝去
ロシア楽壇最後の巨星逝く。 入院の報を以前聞いてそろそろやばいやばいと思ってたら・・・。 なんだか一つの時代が終わったって感じで寂しい・・・。
という事で追悼の意をこめてロストロの演奏をしんみりと聴く。 取り敢えずはやはりチェロといえばドヴォルザークのチェロ協奏曲。 ロストロの演奏ではカラヤン、ジュリーニ、小澤と3種類の伴奏で持ってるけど 個人的にはこのジュリーニとの演奏が一番お気に入り。

- ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104
- ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ/カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ジュリーニの大河の様な雄大なスケール且つ繊細で詩的なバックに支えられて ロストロの格調高く輝かしいチェロが舞う。特にニュアンスの精妙さは3種では一番。 ドヴォルザーク的な民族臭はないけど純音楽的な演奏の最右翼だろうかな。 まさに大人のドヴォコンというべきか。 例によってEMIだから細部が聞き取りにくい録音だけどそんなのはこの名演の前では些細なこと。 併録のサン=サーンスもドイツ的な重厚さのある名演。
それにしても2005年に亡くなったジュリーニ以来のショックだなぁ・・・。
2007年04月11日(水)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
- ピエール・ブーレーズ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ブル8といえばカラヤン&ウィーン・フィルのデジタル録音。 この超絶的名演を始めに聞いたお陰で中々刷り込みが消えず他の演奏が霞んで聞こえて参ったものだ。
今回例の如く中古で買ったブーレーズ&ウィーン・フィルの録音はそんなもやもやを吹き飛ばす会心の名演で 久々にこの曲をたっぷり味わう事が出来た。
冒頭から弦の刻みの例のブルックナー開始が克明に聞こえ張り詰めた緊張感が漂う。 後半の例の金管のコラールもいたずらに協調したりせず禁欲に処理してるのは流石。 スケルツォでの軽快なリズム感は格別。 アダージョは冒頭の弦のアクセントを協調してるのが効果的。 そしてこの楽章の頂点で打ち鳴らされるシンバルとトライアングルが控えめなのが良いね。 終楽章。金管は抑えめで弦のディテール感を強調。もう少し迫力は欲しいものの コーダはもっとザッハリヒにいくかと思ってたが意外と盛り上げながら締めてくれた。
この曲につきまとう壮麗さや劇的さ大仰しさを殊更出すのではなくあくまでも純音楽的に表現し スケールが小さいながらも普段聞こえない声部、特に終始弦の刻みが聞こえたりとぎっしり情報量の詰まった緻密な演奏だった。 音楽の身振りがコンパクトだからとても明快で聴きやすいのもポイントかな。8番の入門盤として最適だと思う。
教会での録音という事でホールトーンがたっぷり。 神秘さは加味されたけどこの演奏スタイルならではのディテール感が損なわれて ブーレーズの演奏コンセプトとそぐわない感もなきにしもあらず。 ライブではなくスタジオでみっちりやった方が良かったかも。
それにしてもやはりブルックナーにはウィーン・フィルが最高だ。
2007年03月23日(金)
[音楽 » テレビ] 最近見たTVから
BS-hiでクラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の2001年の演奏会を見た。 前は数年前BS2で見たかな。久々に見る。

癌との闘病から生還したアバドのガリガリに痩せこけた姿が痛々しい。 最初放送で見た時はほんとショッキングだったなぁ・・・。

しかし演奏は精魂こもってて素晴らしく感動的。 こうゆう歌物は字幕が出るからといっても言語が分からないから集中力が切れて退屈してしまうんだけど アバドの全身全霊を込めた指揮ぶりとそれをサポートするベルリン・フィルの迫力ある鳴りっぷり、 そして4人の素晴らしいソリスト達のお陰で大満足な80分だった。 特にゲオルギューが片時も目が離せない熱演ぶりだったな。 旦那のアラーニャも良かった。声だけでなく風貌が絵に描いたような貴公子っぷりで羨むばかり。
2007年03月05日(月)
[音楽 » テレビ] 最近見たTVから
BS-hiで小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラの2006年9月での演奏会を見た。

ある意味メインの内田光子を迎えてのベートーヴェンの皇帝。 あれっどうしたの?ていうぐらい不調だったような。 内田にしてはやたらミスタッチも多く小澤率いるサイトウキネンも不安定で両者ともノリ切れてない何とも中途半端。 カメラの関係もあるけどいつもの顔芸も抑えめだったかなぁ。 まぁその分ボディーアクションはド派手だったけど。う~ん手放しでブラボーとはいかないかなぁ。
後半のショスタコーヴィチも同様な感じでしっくりこない。 そもそも小澤でショスタコってイメージつかないな。5番よりは1番や6番、9番とかなら合いそうなんだけど。 どうにも演目の弾切れ補充の為やむなくやってる感じが。 とはいえ終楽章は解釈的に結構面白く聴けれたな。
終演後は団員1人1人に自ら出向いていって握手。マメだなぁ。こうゆうところが良いんだよね。 面子的にはライスターやセーガース、シュトレッカーといったお馴染みの等々が。
そして翌日はNHK-hiでティーレマン指揮ウィーン・フィルの2003年での演奏会。

うん。こちらは文句なしに素晴らしい。 特にワーグナーのトリスタンでの美しく官能的な演奏は絶品。 後半メインのブルックナーの7番は大の苦手曲だけどティーレマンの明快な指揮ぶりもあってダレずに楽しめた。 しかしやはりティーレマンは良いな。かつてDGのごり押し売り出しがあったけどちゃんと実力も備わってる。
終演後の腰の低いながらも体育会系なノリも好感。 やはり次代を担う若き巨匠だ。
2007年02月24日(土)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- バッハ:イギリス組曲
- アンドラーシュ・シフ
よくある企画の無人島に持って行きたいCDっていったらやっぱこれだな。 沈潜するサラバンドやアルマンド、浮き立つ愉悦のブーレやガヴォット。 どこをとっても退屈する事のないまさに宝石箱の様な曲集。
演奏するシフのピアノは端正で流麗。 フォルテでも決して濁ったり五月蠅くならず透明感が感じられて上品で溜息が出るぐらいの美しさ。 解釈も至極全うで変な小細工もなくもうかれこれ何十回と聴き通してるけど全く飽きがこない。 録音も大変優秀でしっとりとしたホールトーンの中美しく鳴るベーゼンドルファーが心地良い。
ここで挙げたイギリス組曲以外もシフのバッハは神懸かり的に素晴らしい。 ゴルドベルク変奏曲・平均律クラヴィーア曲集・フランス組曲・インヴェンションとシンフォニア・パルティータとデッカへの一連のバッハ録音は全部持ってるけどどれも完成度が高くそれぞれがトップクラスの演奏だと思う。 あと持ってないのではECMから出たゴルドベルクの新盤が欲しいなぁ。
2007年02月17日(土)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- シューベルト:交響曲 第9番ハ長調 D.944「グレート」
- カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団
こないだオクでゲット。 アマゾンではとうの昔に品切れだったんで画像はHMVから。。
しかし廉価版シリーズとはいえもう少しデザイン何とかならんもんかね。 TheMeibanとか意匠要らんから。
序奏は意外と早め、その後の主部の超レガートに大笑い。ここまでするかと仰け反るものの 適度にデフォルメを効かせつつ各声部をくっきり浮かび上がらせた解釈は説得力十分。 艶やかなシカゴの弦の歌うようなカンタービレが美しい。 ただリピートしてないのが残念。
アンダンテはジュリーニ持ち前の晴朗な歌が光りまさにイタリアの晴れ晴れとした青空を望んでるかのよう。 同楽章で一番感銘深いトロンボーンから導かれる箇所とフルートの下降旋律が印象的な箇所が殊更天上的で美しくて恍惚とさせられる。
スケルツォは力強く引き締まってて弦のアクセントの付け方がユニークで効果的。時折ジュリーニの唸り声も聞こえちょっと力みすぎなぐらい。トリオはスケールが大きい。
終楽章は快活でのびやか。節度ありながら迫力のある金管の響きもあってきびきびと進行し堂々としたコーダで閉じる。1楽章同様リピートは無し。
ハ長調交響曲は平板な曲調と長さのあまり大概途中で退屈して特に3楽章以降はどうでもいいやってな気分になるんだけど シカゴの締まった響きとジュリーニの作品の本質を抉り出した解釈のお陰で久々に最後まで退屈せず楽しんで聴き通せた演奏だった。
2007年02月12日(月)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- ベートーヴェン:ピアノソナタ第11番Op.22/ピアノソナタ第12番Op.26/ピアノソナタ第21番Op.53
- マウリツィオ・ポリーニ
録音は1997年で旧録の方は未聴。
11番。戯けた雰囲気ながら力強く壮麗。全体的にどこかモーツァルト的な柔和さと軽やかさをもってて聴きやすい。
12番。穏やかながらも高貴な主題がめくるめく変奏していく様が圧巻。アンダンテは葬送行進曲で英雄交響曲第2楽章的な沈痛さと高揚感。終楽章は短いながらも快活に閉じる。
21番。 ピアノソナタの有名処では「ワルトシュタイン」が一番好きだ。 最初から終わりまで息つく間もない程に曲想がぎっしり詰まってて暗から明へという構造が交響曲第5番の様なカタルシス。 冒頭の憧れに満ちた様な低音和音連打からやや落ち着いてその後一気に雪崩れ込む箇所が特に格好良くこの曲1番の聴き所。第2楽章の沈み込む雰囲気、第3楽章の晴れ晴れとした明朗さ。どこからどこまでも充実していて何度聞いても飽きることない。
ポリーニの演奏はとにかく燃焼度が高く安定感もあり尚かつライブならではのスリリングさ。 特に21番でみせる猛烈な早さで各フレーズを駆けめぐる様は圧巻で興奮。 文字通りMIDI演奏みたいで一体指が何本あるのやらと。 といっても決して機械的演奏一辺倒にならずどこが余裕のある様が人間味を感じられてここら辺がポリーニの円熟の現れなんだろう。
所々音像が変わってる場面があって編集で継ぎ接ぎしてるのがバレバレなのが惜しい。 どうもDGはデジタル期以降編集が下手なんだよね。
2007年02月09日(金)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- シューマン:ピアノソナタ第2番Op.22/シューベルト:ピアノソナタ第20番D.959
- マレイ・ペライア
1曲目はシューマン。 第1楽章からシューマンらしい付点リズムの連続でめまぐるしく変わる曲想が聞き手を飽きさせない。 しかしこりゃもう指の運動だな。 第2楽章は一転して悲しく沈潜する音楽。 スケルツォは賑々しく終楽章は焦燥しながら時折見せる穏やかな旋律が美しい。
2曲目はシューベルト。 どんより暗い後期ソナタでは明るさと救いのある20番が一番好きだな。 悲愴に満ち深い情念を感じる第2楽章やどこまでも柔和な終楽章。
ペライアのピアノは明瞭でクリア。 少し一本調子でもっと陰な表情があればいいんだけど詩的な表現と完璧な技術は魅力的。
2007年02月06日(火)
[音楽 » テレビ] 最近見たTVから
BS-hiでサー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団の演奏会を見た。 以前やってたのはBS2でだったかな。

デイヴィスは眼鏡掛けての指揮。お腹の出っ張りが気になるところ。 指揮ぶりも相変わらずのぶっきらぼう。
庄司紗矢香のヴァイオリンでシベリウスの協奏曲はソロのややねっとりした歌い回しもあっていまいち共感出来ない演奏だったかな。 しかしまだ24歳か。容姿的には10代で通用しそうなぐらいあどけない雰囲気。まだまだこれから伸びていきそうだ。
メインはストラヴィンスキーの火の鳥全曲。長い・・・。やはり組曲版の方が纏まりがあっていい。 にしても確かこの演奏会の1年前ぐらいもブーレーズがロンドン響と来日した時に同じ火の鳥全曲やったんだよね。 偶々被っちゃったんだろうか。という事もあって今ひとつ新鮮味に欠ける印象。勿論素晴らしい事に変わりないけど。
アンコールはエルガーのエニグマ変奏曲から静かな高揚感が魅力のニムロッド。 指揮棒下ろす前に拍手が来たもんだからデイヴィスの「もうっ」って感じの苦笑いな表情が印象的で思わずご免なさいって気分になった。
相変わらずロンドン響は劇巧。その中ではやはりホルン首席のデイヴィッド・パイアットが素晴らしい音色で陶酔させてくれた。
2007年02月03日(土)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- シューベルト:ピアノソナタ第14番/楽興の時/2つのスケルツォ
- マリア・ジョアン・ピリス
と言うことでこの前のBS放送が良かったんでピリスのCDを聴く。 これも昔オクで落札したもの。
14番D.784はシューベルトのピアノソナタでも最も好きな楽曲のうちの一つ。 ほの暗く沈潜しながらも儚さをみせる第1楽章、穏やかながらもうちに秘める情熱をみせる第2楽章、 一転して華やいで激しくなる終楽章。どこをとっても魅力的な旋律に溢れていて聴き飽きない。 ピリスは繊細なタッチとこうゆうふうに弾いてくれたらいいなを尽く実現してくれる解釈で安心して音楽に身を委ねられる。
楽興の時は有名な3曲目も良いけど不安げな表情の2曲目や静かな叙情をたたえた6曲目が印象的。
2つのスケルツォの1曲目は戯けていながらも包み込むような、 2曲目は堂々としていて華やか。
やっぱりシューベルトはしみじみとしていていいもんだなぁ。
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