Abandoned Well
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2007年06月08日(金)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調作品43
- ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管弦楽団
う~ん籠もった様な音響でダイナミックレンジ不足。 例の高速フーガは燃焼度満点だが録音のせいか迫力不足でどうにも燃え切れない。 ゲルギーの解釈は都会的な洗練さでスマートなもの。 ロシアコンビだからってアクの強いもの期待してるとはぐらかされる。 ただ優等生的というか小さく纏まり過ぎかなぁ。もう少しこの曲ならではの尖ったとこを感じさせて欲しかった。 第1楽章コーダや終楽章など今まで聴いた事ないフレーズが出てくるとこはきちんと研究した跡が垣間見れて良かったけど。 どちらかというと動の部分よりは静の部分に緻密さがあって印象深かったかな。 マリンスキー管は音色に魅力はないけど安定して巧い。
それにしてもジャケット写真の白目みたいな焦点の定まってない目が怖いw。
やはり4番ベストはチョン&フィラデルフィアかプレヴィン&シカゴだな。
2007年06月02日(土)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調作36&交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
- ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団
1960年代~70年代の収録。この時期のドイツのオケの音色は良い。 弦の芳醇な香りが漂ってきそうな音の豊かさとしなやかさ。
まずは小粒でキリリと光る2番。クーベリックはのっけから熱い。 主部に入るといきなり気合いの足音踏みまくりにオケ共々聴いてるこっちまでボルテージが上がる。 ラルゲットの晴朗さ、スケルツォの快活さ、そして終楽章コーダは期待通りの白熱ぶりでやんややんやの大喝采。 リピートは第1楽章のみ実施。
9つの交響曲では一番好きな第6番「田園」。 小鳥たちがさえずるまどろんだ第2楽章、田園交響曲版歓喜の歌的な終楽章が特に大好きでいつも幸福な気分にさせられる。 同曲はジュリーニとロスフィルが至高の名演だがクーベリック&バイエルンも十分期待に応えてくれた。 まさに小川のほとりの情景が目に浮かぶかのような雰囲気溢れる演奏でそれでいて細部の克明さも忘れない丁寧な仕事ぶり。 特にここでは木管群の愉悦感ある演奏が光り、しなやかな弦と混ざり天上的なハーモニー。 ほんといつまでも続いて欲しいと思わせられる・・・。 スケルツォはのどかな田園風景を経てアレグロはいつもの荒れ狂うクーベリック。 耳をつんざくトランペット、轟くティンパニ。悲鳴を上げる木管。まさに嵐。 そして自然に感謝の時の終楽章。冒頭から弦の暖かい歌に感動。終わりまで至福は続きまさにブラボー。 田園だけ終演後の拍手は何故かカット。
いやはやバイエルン放送響という最強のオケのポテンシャルの凄さを改めて実感。 ライブで日頃こんな凄い演奏ばっかやってるんだからこのコンビは凄い。
録音は2番の方はオンマイク気味ながら十分明瞭で迫力ある音圧を感じられる良好なもの。 田園の方はややドライながらヘラクレスザールの豊かなホールトーンを感じられる素晴らしい録音。
2007年05月26日(土)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」/シベリウス:交響曲第7番ハ長調作品105
- ゲオルグ・ティントナー指揮ノヴァ・スコシア交響楽団
一気に蒸し暑くなってきたな。夏場はバテてすっかり音楽聴く気力が失せるので今の内に未聴盤を消化。
オケの規模のせいか響きが室内楽的なクリアさでとても見通しが良い。爽やかな聴き心地はこの時期にぴったり。 そのオケも知名度が低いしでどうかなと思ってたけど全く杞憂。 滅茶巧いというわけでもないけど技術的にしっかりしてて十分安心して聞ける。
まずシベリウスの交響曲。これは大変な名演。ティントナーが亡くなった91年収録という事でまさに白鳥の歌に相応しい。 孤高の巨匠が最後に辿り着いた澄み切った境地が現れた演奏という感じだろうか。 特に冒頭弦で織りなされる楽想での厳かで祈りに似た表現は感動的で恍惚とさせられた。弦セクションの繊細な響きも美しい。 その後も悠然としたテンポでじっくり腰の据わった演奏。実に素晴らしい。
もう一方のエロイカはシベリウス同様に奇を衒ったとこがない堅実で落ち着いた秀演。 やや腰が軽いけどこの曲にありがちな重苦しい演奏よりは断然良い。第1楽章コーダでのトランペットの処理は途中で落とすタイプ。
オケは1st、2ndヴァイオリンが左右に分かれる両翼配置スタイル。 録音はやや薄手ながらホールトーンも適度に感じられて良好。 ライブ収録の故観客ノイズが若干聞こえるけどさして支障にならず。終演後の拍手はあり。
2007年04月29日(日)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- チャイコフスキー:「白鳥の湖」「眠りの森の美女」抜粋/「くるみ割り人形」組曲
- ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
今回は指揮者ロストロポーヴィチを追悼として聴いた。 まず1970年代後半にベルリン・フィルを振ったチャイコフスキーの3大バレエ音楽。 この頃はカラヤン以外でベルリン・フィルと録音させて貰えたのはクーベリックやベームぐらいなんじゃないだろうかな。
まず録音がやたら良い。 この時代のDG録音としては最高峰の出来なんじゃないかと。 音が鮮明でシャープ。 金管の鳴りが生々しくティンパニや大太鼓など低音の伸びも良好で腹にズシッとくるぐらい。
演奏はベルリン・フィルの重厚でダイナミックな響きに支えられて ロストロのロシア的濃厚さのロマンティズムでかなりこってりとした仕上がり。 粘着質な歌い回しなどかなりロストロ臭のある演奏なんで聴く人を選ぶだろうけど 聴き応えのある演奏という事確かで同曲の名演の最右翼の一つに挙げられるんではないだろうかと思う。 個人的にもカラヤンの引っかかりのない演奏よりはロストロ盤をよく引っ張り出して聴いてるな。
しかし抜粋物はやはり物足りない。せめてくるみ割り人形の全曲盤を残して欲しかったな。
2007年04月28日(土)
[音楽 » CD] ロストロポーヴィッチ逝去
ロシア楽壇最後の巨星逝く。 入院の報を以前聞いてそろそろやばいやばいと思ってたら・・・。 なんだか一つの時代が終わったって感じで寂しい・・・。
という事で追悼の意をこめてロストロの演奏をしんみりと聴く。 取り敢えずはやはりチェロといえばドヴォルザークのチェロ協奏曲。 ロストロの演奏ではカラヤン、ジュリーニ、小澤と3種類の伴奏で持ってるけど 個人的にはこのジュリーニとの演奏が一番お気に入り。

- ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104
- ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ/カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ジュリーニの大河の様な雄大なスケール且つ繊細で詩的なバックに支えられて ロストロの格調高く輝かしいチェロが舞う。特にニュアンスの精妙さは3種では一番。 ドヴォルザーク的な民族臭はないけど純音楽的な演奏の最右翼だろうかな。 まさに大人のドヴォコンというべきか。 例によってEMIだから細部が聞き取りにくい録音だけどそんなのはこの名演の前では些細なこと。 併録のサン=サーンスもドイツ的な重厚さのある名演。
それにしても2005年に亡くなったジュリーニ以来のショックだなぁ・・・。
2007年04月11日(水)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
- ピエール・ブーレーズ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ブル8といえばカラヤン&ウィーン・フィルのデジタル録音。 この超絶的名演を始めに聞いたお陰で中々刷り込みが消えず他の演奏が霞んで聞こえて参ったものだ。
今回例の如く中古で買ったブーレーズ&ウィーン・フィルの録音はそんなもやもやを吹き飛ばす会心の名演で 久々にこの曲をたっぷり味わう事が出来た。
冒頭から弦の刻みの例のブルックナー開始が克明に聞こえ張り詰めた緊張感が漂う。 後半の例の金管のコラールもいたずらに協調したりせず禁欲に処理してるのは流石。 スケルツォでの軽快なリズム感は格別。 アダージョは冒頭の弦のアクセントを協調してるのが効果的。 そしてこの楽章の頂点で打ち鳴らされるシンバルとトライアングルが控えめなのが良いね。 終楽章。金管は抑えめで弦のディテール感を強調。もう少し迫力は欲しいものの コーダはもっとザッハリヒにいくかと思ってたが意外と盛り上げながら締めてくれた。
この曲につきまとう壮麗さや劇的さ大仰しさを殊更出すのではなくあくまでも純音楽的に表現し スケールが小さいながらも普段聞こえない声部、特に終始弦の刻みが聞こえたりとぎっしり情報量の詰まった緻密な演奏だった。 音楽の身振りがコンパクトだからとても明快で聴きやすいのもポイントかな。8番の入門盤として最適だと思う。
教会での録音という事でホールトーンがたっぷり。 神秘さは加味されたけどこの演奏スタイルならではのディテール感が損なわれて ブーレーズの演奏コンセプトとそぐわない感もなきにしもあらず。 ライブではなくスタジオでみっちりやった方が良かったかも。
それにしてもやはりブルックナーにはウィーン・フィルが最高だ。
2007年02月24日(土)
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- バッハ:イギリス組曲
- アンドラーシュ・シフ
よくある企画の無人島に持って行きたいCDっていったらやっぱこれだな。 沈潜するサラバンドやアルマンド、浮き立つ愉悦のブーレやガヴォット。 どこをとっても退屈する事のないまさに宝石箱の様な曲集。
演奏するシフのピアノは端正で流麗。 フォルテでも決して濁ったり五月蠅くならず透明感が感じられて上品で溜息が出るぐらいの美しさ。 解釈も至極全うで変な小細工もなくもうかれこれ何十回と聴き通してるけど全く飽きがこない。 録音も大変優秀でしっとりとしたホールトーンの中美しく鳴るベーゼンドルファーが心地良い。
ここで挙げたイギリス組曲以外もシフのバッハは神懸かり的に素晴らしい。 ゴルドベルク変奏曲・平均律クラヴィーア曲集・フランス組曲・インヴェンションとシンフォニア・パルティータとデッカへの一連のバッハ録音は全部持ってるけどどれも完成度が高くそれぞれがトップクラスの演奏だと思う。 あと持ってないのではECMから出たゴルドベルクの新盤が欲しいなぁ。
2007年02月17日(土)
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- シューベルト:交響曲 第9番ハ長調 D.944「グレート」
- カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団
こないだオクでゲット。 アマゾンではとうの昔に品切れだったんで画像はHMVから。。
しかし廉価版シリーズとはいえもう少しデザイン何とかならんもんかね。 TheMeibanとか意匠要らんから。
序奏は意外と早め、その後の主部の超レガートに大笑い。ここまでするかと仰け反るものの 適度にデフォルメを効かせつつ各声部をくっきり浮かび上がらせた解釈は説得力十分。 艶やかなシカゴの弦の歌うようなカンタービレが美しい。 ただリピートしてないのが残念。
アンダンテはジュリーニ持ち前の晴朗な歌が光りまさにイタリアの晴れ晴れとした青空を望んでるかのよう。 同楽章で一番感銘深いトロンボーンから導かれる箇所とフルートの下降旋律が印象的な箇所が殊更天上的で美しくて恍惚とさせられる。
スケルツォは力強く引き締まってて弦のアクセントの付け方がユニークで効果的。時折ジュリーニの唸り声も聞こえちょっと力みすぎなぐらい。トリオはスケールが大きい。
終楽章は快活でのびやか。節度ありながら迫力のある金管の響きもあってきびきびと進行し堂々としたコーダで閉じる。1楽章同様リピートは無し。
ハ長調交響曲は平板な曲調と長さのあまり大概途中で退屈して特に3楽章以降はどうでもいいやってな気分になるんだけど シカゴの締まった響きとジュリーニの作品の本質を抉り出した解釈のお陰で久々に最後まで退屈せず楽しんで聴き通せた演奏だった。
2007年02月12日(月)
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- ベートーヴェン:ピアノソナタ第11番Op.22/ピアノソナタ第12番Op.26/ピアノソナタ第21番Op.53
- マウリツィオ・ポリーニ
録音は1997年で旧録の方は未聴。
11番。戯けた雰囲気ながら力強く壮麗。全体的にどこかモーツァルト的な柔和さと軽やかさをもってて聴きやすい。
12番。穏やかながらも高貴な主題がめくるめく変奏していく様が圧巻。アンダンテは葬送行進曲で英雄交響曲第2楽章的な沈痛さと高揚感。終楽章は短いながらも快活に閉じる。
21番。 ピアノソナタの有名処では「ワルトシュタイン」が一番好きだ。 最初から終わりまで息つく間もない程に曲想がぎっしり詰まってて暗から明へという構造が交響曲第5番の様なカタルシス。 冒頭の憧れに満ちた様な低音和音連打からやや落ち着いてその後一気に雪崩れ込む箇所が特に格好良くこの曲1番の聴き所。第2楽章の沈み込む雰囲気、第3楽章の晴れ晴れとした明朗さ。どこからどこまでも充実していて何度聞いても飽きることない。
ポリーニの演奏はとにかく燃焼度が高く安定感もあり尚かつライブならではのスリリングさ。 特に21番でみせる猛烈な早さで各フレーズを駆けめぐる様は圧巻で興奮。 文字通りMIDI演奏みたいで一体指が何本あるのやらと。 といっても決して機械的演奏一辺倒にならずどこが余裕のある様が人間味を感じられてここら辺がポリーニの円熟の現れなんだろう。
所々音像が変わってる場面があって編集で継ぎ接ぎしてるのがバレバレなのが惜しい。 どうもDGはデジタル期以降編集が下手なんだよね。
2007年02月09日(金)
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- シューマン:ピアノソナタ第2番Op.22/シューベルト:ピアノソナタ第20番D.959
- マレイ・ペライア
1曲目はシューマン。 第1楽章からシューマンらしい付点リズムの連続でめまぐるしく変わる曲想が聞き手を飽きさせない。 しかしこりゃもう指の運動だな。 第2楽章は一転して悲しく沈潜する音楽。 スケルツォは賑々しく終楽章は焦燥しながら時折見せる穏やかな旋律が美しい。
2曲目はシューベルト。 どんより暗い後期ソナタでは明るさと救いのある20番が一番好きだな。 悲愴に満ち深い情念を感じる第2楽章やどこまでも柔和な終楽章。
ペライアのピアノは明瞭でクリア。 少し一本調子でもっと陰な表情があればいいんだけど詩的な表現と完璧な技術は魅力的。
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