Abandoned Well
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2007年02月03日(土)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- シューベルト:ピアノソナタ第14番/楽興の時/2つのスケルツォ
- マリア・ジョアン・ピリス
と言うことでこの前のBS放送が良かったんでピリスのCDを聴く。 これも昔オクで落札したもの。
14番D.784はシューベルトのピアノソナタでも最も好きな楽曲のうちの一つ。 ほの暗く沈潜しながらも儚さをみせる第1楽章、穏やかながらもうちに秘める情熱をみせる第2楽章、 一転して華やいで激しくなる終楽章。どこをとっても魅力的な旋律に溢れていて聴き飽きない。 ピリスは繊細なタッチとこうゆうふうに弾いてくれたらいいなを尽く実現してくれる解釈で安心して音楽に身を委ねられる。
楽興の時は有名な3曲目も良いけど不安げな表情の2曲目や静かな叙情をたたえた6曲目が印象的。
2つのスケルツォの1曲目は戯けていながらも包み込むような、 2曲目は堂々としていて華やか。
やっぱりシューベルトはしみじみとしていていいもんだなぁ。
2007年01月29日(月)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- ベルク:ヴォツェック
- クラウディオ・アバド指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団
大まかなストーリーは、 金欲しさの余り医者の人体実験に協力して頭がおかしくなった男ヴォツェックが 妻マリーの浮気に嫉妬する余り殺してしまい狂乱したヴォツェック自身も池で溺死。 後には二人の子供だけが空しく残ってしまったというお話。
オペラは長いし言葉分からないから敬遠してたけどこれは何故か最後まで飽きずに聴けた。 現代音楽オペラのヴォツェックが初めて聴き通せたオペラってのも相当変わりもんだろうな。 しかもベルクで一番有名なヴァイオリン協奏曲は逆に苦手ってんだから耳がどうかしてるw。 ま、他の一般的な現代音楽と違って道筋が比較的分かり易くオケに色々聴き所も多く歌唱も楽しいし演奏時間も1時間半程度と手頃だし話も深く考えさせられる内容だしである意味ベルク・現代音楽入門に最適なんじゃないかな。 聴き所的には第1幕の大佐の笑い、バンダので行進曲、第2幕の白痴の合唱、第3幕ではfffへの壮大なクレッシェンド2発、 ピアノでのジャズ風なところ等々。
録音はかなり優秀で音が直に生々しく迫ってくる。ライブだけどオケに殆ど傷もなく。恐らく数日間のテイクの繋ぎ合わせ。 舞台上でドタドタという足音や声が左右に揺れるのがライブらしい臨場感があって良い。 アバドの指揮もベルクを得意としているだけあって安心して身を任せていられる。声楽陣も素晴らしく大佐役のツェドニクが特に良い。
しかしほんと言葉の壁を忘れさせてくれるぐらいベルクの紡ぎ出す異様な音楽の世界に戦慄を覚える。 音楽だけでここまで怖さを感じさせてくれるってのも中々ないよなぁ。まさに悪魔の音楽。 ベルクの音楽はどこか20世紀初頭の戦争できな臭いヨーロッパを彷彿させる。退廃的で甘美な旋律とハーモニー。 透徹なシェーンベルク、苦渋のウェーベルンと新ウィーン学派3人だとやはりベルクのロマン的な音楽に惹かれるな。
2007年01月24日(水)
[音楽 » CD] 最近聴いた音楽から

- モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73
- マウリツィオ・ポリーニ&カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
積みゲーならぬ積みCDが溜まる一方ですよ。
モーツァルトは清楚でまるで少女がガラス床の間で淑やかにバレエでも踊ってるかのよう。 この曲は自分的にはイメージ的に春の草原なんだけどこの演奏はどこか静謐感があって冬の草原の雰囲気。 アレグロになる終楽章でも落ち着きさは変わらずどちらかというと技巧で聴かせるポリーニにしてはそれを感じさせずごく自然体。 ベーム&ウィーン・フィルもそれを柔和に受け止めてポリーニをサポート。ポリーニには水と油と思われたモーツァルトだけどこれは予想外の名演だったな。
皇帝はアバドとの新録は腑抜けで期待外れもいいとこだったけどベームとの旧録の方は気合い入ってる。 クロームメッキされた精巧で寸分の狂いのないピアノ。どっちかというとインテリで気難しい皇帝なイメージだな。 第2楽章は良い。淡々とした表情がかえってこのアダージョの叙情性を浮き彫りにさせてる感じ。 終楽章はバリバリと技巧で推し進め華やいだ雰囲気。
ベームとは相性良かったんだろう。もっとこのコンビで録音して欲しかったな。
2007年01月18日(木)
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- コルンゴルト&ローザ:ヴァイオリン協奏曲
- ヤッシャ・ハイフェッツ/アルフレッド・ウォーレンスタイン指揮ロサンゼルス・フィルハーモニック他
中古屋で何枚か入手出来たハイフェッツ・コレクションからの1枚。
コルンゴルドは初聴き。 全体的にどこかハリウッド音楽的だなぁと思いwikipedia見たらなるほど。 10歳でマーラーを感嘆させたりモーツァルトの再来とか言われたり大変な才能だったというわけか。 そしてこの人もユダヤ人であるが為に大戦で大きく人生を狂わされたと。
協奏曲はこれまで作曲した各映画のメロディからの転用で構成。ある意味自身の集大成的な作品かな。 どこか世紀末ヴィーン的な雰囲気で望郷を誘う甘美さでもっともっと演奏・録音されてもいいと思わせられる作品だった。モノラル録音が郷愁感を増すんだよね。
お次も初なローザ。ハンガリー生まれで主に映画音楽で活躍したという。 この協奏曲はハイフェッツの委嘱で作られたらしい。なるほど同じハンガリーという事でバルトークぽさがある。 技巧的にもかなり難度が高そう。でも余裕すら感じられるハイフェッツは流石だなぁ。
チェロのピアティゴルスキーを含めてのヴァイオリンとチェロの変奏曲は比較的平易で更に民族色が濃い。
コルンゴルトを除いてこの年代にしては優秀なステレオ録音。流石RCA。 ヴァイオリンがややオン気味かな。オケの鳴りは強奏時割れはあるものの迫力があって聴き応えある。
2007年01月13日(土)
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- シューベルト:ミサ曲第2番ト長調 D.167/タントゥム・エルゴ変ホ長調 D.962/詩篇第23篇「主は私の牧者で」D.706 シューマン:ミニョンのためのレクィエム Op.98b
- クラウディオ・アバド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
最近私生活が殺伐とした毎日なんで洗われる音楽を聴く。
シューベルトのミサ曲D.167の2番。 6番がシューベルトのミサ曲では一番有名だけど2番も素晴らしく天上的な音楽で癒される。 曲も20分程度と短めで聴きやすいってのも良いよね。 特にKyrieとCredo、AgnusDeiが聴きやすく印象的だ。
次のタントゥム・エルゴも合唱の柔和な旋律が心に響く。
詩篇第23篇「主は私の牧者で」。冒頭から清楚。ソプラノ・アルトの4重奏が美しい。
シューマンのミニョンもやや苦渋ながら美しい音楽且つ短いので飽きなく聴ける。
指揮するアバドとオケのヨーロッパ室内管はまさにシューベルトに打って付けで流麗で淀みない音楽を展開。 そしてなんと言ってもソプラノがバーバラ・ボニーってのが良い。 ほんと聴いてて心地良い声なんだよね。ソプラノでは一番好きな歌手だ。
2007年01月10日(水)
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- ムソルグスキー:禿げ山の一夜/バルトーク:中国の不思議な役人/ストラヴィンスキー:春の祭典
- エサ・ペッカ・サロネン指揮ロサンゼルス・フィルハーモニック
この前の放送が良かったんで他のCDと一緒についでで買って聴いてみる。
買う前はバーバリスティックな3曲揃いでクドいだろうなと思ったんだが流石サロネン。 単なる五月蠅い系で収まらず繊細で隅々までクリア。まるでガラス細工でも見てるかのよう。蒸留水のようなすっきりさ。 これがゲルギエフだったらさぞかし脂ぎったラーメンでも食ってるかのようなハイカロリー演奏だったろうな。
禿げ山の一夜はリムスキー=コルサコフ版より原典版の方が野性的な魅力があって好き。 コルサコフ版も妖しさがあってあれもいいんだけどね。 アバドやドホナーニ、サロネンと原典版の演奏聞いたけどそれぞれ良い。 しなやかなアバド、緻密なドホナーニ、そしてこのスマートなサロネン。やっぱ一番は今のところドホナーニかな。
春の祭典はこれは凄い。寸分の隙のない精密さ。 特に「敵の都の人びとの戯れ」「大地の踊り」「いけにえへの賛美」は痛快。 スタジオ録音とはいえロスフィルのこの合奏力とサロネンの棒振りテクニックは途方もないな。 とはいえハルサイのベストはやはりドラティのマーキュリー録音かなぁとは思う。
録音はホールトーンをたっぷり含み音場が深い。特に低音の伸びが凄い。解像度も適度に十分。
2007年01月04日(木)
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- チャイコフスキー:大序曲「1812年」Op.49/イタリア奇想曲&ベートーヴェン:「ウェリントンの勝利」Op.91
- アンタル・ドラティ指揮ミネアポリス管弦楽団/ロンドン交響楽団
史上最も危険なCDw。 下手に再生しようものなら音の凄さでスピーカーぶっ壊れかねないというマジで。 とにかく音が生々しい。本当に目の前にオケがあるかのような錯覚があるぐらい。 とても50年近く昔の録音とは思えないよなぁ。
大序曲「1812」、後半の例のどんちゃん騒ぎ。 鐘は頭上で鳴らしてるかのようにワンワン響き、大砲はパァーンと乾いた音で打ち上げ花火のように轟く。 コーダのテンポ設定は軽快で理想的。
録音の凄さもさることながら演奏自体も同曲のNo.1演奏だろうか。 ミネアポリス響も優秀で弦セクションの艶っぽさが特に良い。
次にベートーヴェン唯一の駄曲と名高い「ウェリントンの勝利」。 これはやり過ぎなぐらいマスカット銃の音が四方八方から鳴り響いてもう五月蠅くて仕方ないw。 演奏自体はかなりノリノリで熱演。
他にエンジニアのコメンタリーがTRACK2とTRACK6に入ってんだけど特にTRACK2は超凶悪w。鼓膜破れるって。
この名盤の欠点を挙げるとすると年代柄仕方ないがヒスノイズがやや目立つのと 録音とオケが巧すぎてMIDI演奏の様に人工的に聞こえるといったぐらいか。
にしても録音の良さを抜きにしてもやっぱこの年代のオケの音色は良いね~。
2006年12月31日(日)
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- チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」
- レナード・スラットキン指揮セントルイス交響楽団
12月といったらやっぱくるみ割り人形。 普段組曲版を聴いてる耳にはこの全曲版は新鮮。 個人的には組曲に組み入れられてない曲の方が魅力的な曲が多かったりする。 特に気に入ったのがクリスマスツリー、ねずみの王様、松の森、魔法の城、クララと王子、チョコレート、おばさんとピエロ、パ・ド・ドゥ・イントラーダ、パ・ド・ドゥ・コーダ。
スラットキンの指揮は明快で流麗。そして平衡感覚の抜群の良さがスラットキンの良いところ。 標題の描き分けも的確で実際の情景が目に浮かぶよう。またここぞという盛り上げ方が巧いんだよねスラットキンは。 ツボを抑えてるというか。
録音は綺麗に録れてるけど音がやや薄めでドライな印象。

- ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調Op.125「合唱付き」
- クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団
年末だから第九ってわけじゃないよ第3弾。
やっぱ第九はこれが最高だ。 クリアでシャープな響きに次世代のベートーヴェン演奏を見るかのよう。 第1楽章での確固たる造形感、スケルツォの緻密さ、アダージョの清楚さ、終楽章の敬虔さと祝祭感。 どれをとっても素晴らしい。日本では不人気極まりない指揮者だがこれは隠れた名盤だと思う。決してセルの第九には引けを取ってない。 ドホナーニは今のポストは北ドイツとフィルハーモニアだけどどっかのレーベルでベートーヴェン交響曲全集として再録してくれないかなぁ。 このまま埋もれてしまうには惜しすぎる。
録音はややもやっとした感じだが鮮烈度は十分で迫力満点。 テラークレーベルは優秀録音で名を馳せてるんでもっとグレードの高い再生環境なら更に良く聞こえるんだろうなぁ。
というわけで今年もテレ東のジルベスター&BSでベルリン・フィルのジルベスター&ウィーン・フィルのニューイヤーという流れで年越しと年明け。
2006年12月30日(土)
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- ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
- カルロス・クライバー指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団
血湧き肉躍るとはまさにこの事。 つんのめり気味な程の圧倒的推進力で駆けていく様は爽快。 スケールは小さいんだけど彫りは深くオケもまるで軟体動物のようにうねっていき マシンガンのように各パッセージが展開されていく。まさにスポーツ感覚のベートーヴェン。 終演後は観客からパラパラと拍手が起こりその後ドッとブラボーと共に大喝采。 いかに演奏が凄すぎて金縛り状態だったかって事だろうな。俺もその場に居合わせてたら腰を抜かしていたと思う。
しかしこんなに凄い演奏なら何で4番と同時期かもっと早く出さなかったんだろうかと不思議。 オケにミス(終楽章でフルートが出をはっきりと間違えてる)があるからクライバー側が許可しなかったからだろうかな。 ま、死んでからこうやって出るのもげんきんだなぁとは思うが多分また同日の4番と一緒になって発売し直されるんだろう。
2006年12月28日(木)
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- ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」ホ短調Op.95
- キリル・コンドラシン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
彫りが深く引き締まった演奏。ブリブリ吹き鳴らされるウインナホルンに惚れ惚れ。 第1楽章はリピートあり。やっぱ新世界は繰り返しがあった方が落ち着くんだよね。 安易に感情に流されない第2楽章も良い。第4楽章冒頭の金管の咆吼の格好良さは随一。
録音はデッカなので生々しくクリアに録れてる。もっとこのコンビで例えばショスタコとか聴いてみたかったな。

- シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」
- ピエール・ブーレーズ指揮シカゴ交響楽団
所謂ゲンオンは苦手なんだがこの曲はゲンオンの初期に位置するので比較的明快で理解しやすくすんなり耳に入ってくる。 後期ロマン派を更に発展させた感じで退廃的で甘美な音楽。
ブーレーズの指揮は明晰。透徹で客観的、何の思い入れもない素振りが逆にこの曲のメロウな音楽を引き立てる。 シカゴのひんやりしたサウンドとERATOの無色な録音はこの曲に相応しく特に木管の精妙さ金管の力強さは特筆物。 特に15分当たりのバストロンボーンの咆吼は鳥肌。
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