Abandoned Well
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2009年04月19日(日)
[音楽 » CD] 最近買ったCDから - ティーレマンのブラームス
- ブラームス:交響曲第1番・ベートーヴェン:エグモント序曲
- クリスティアン・ティーレマン指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
まずモヤが掛かって奥の方でモゴモゴ言ってるような録音に落胆。 ほんとここ最近のDG録音は精彩に欠ける。
引きずるような重々しい音楽運びでティーレマンがどういった方向を目指してるかは明らか。 ただ懐古趣味な演奏に終わらずティーレマン独自の音楽設計の卓越さには目を見張らされたな。 特に終楽章が素晴らしい。 序奏が終わりホルンで例のコラールが奏でられる場面とコラールが終わった後での溜め。 実に効果的で一体これから何が起こるのかという期待感をもたらしこの暗から明という終楽章の楽想にとてもマッチしていた。 そして弦で奏でられる第1主題は詩的な繊細さで魅了。 そこから木管に継がれクレッシェンドして盛り上げていくその自然な高揚感溢れる表現の見事さ。 コーダはこれまで溜めていたものをはき出すかのような伸び伸びとスケール大きく聞かせとてもドラマチックに盛り上げる。 ここまでたっぷりルバートしてくれたらもう何も言うことなしで興奮させられたな。
反面第1楽章は少し考えすぎというか慎重すぎるのかもしれない。反復しているのは嬉しかったけど。 もう少し若者らしい勢いというか覇気を魅せて欲しかったところ。中間楽章はミュンヘン・フィルの美音をたっぷり楽しめた。
一歩間違うとブヨブヨしたふやけた演奏になるところを終始引き締まったティンパニの音に支えられたように思う。 重厚で丹念さが光った演奏といったところだろうか。 これで録音がもう少し明瞭ならとつくづく惜しまれるな。
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